論ずるに値しない。

論ずるに値しない文章を毎日書く。内容は読んだ本や今まで考えてきたことがメイン。

読書

破天荒フェニックスを読んだ

こんな本だった 倒産寸前のオンデーズを買い取った直後からの復活を描いた半自伝的小説なのだが、経営者が自身の成功事例を書いた本なので基本的に自己賛美的かつ主観的だった。 話の流れが単調 なにか思いつく→成功するもしくは失敗する→すぐに資金ショート…

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ を読んだ

学習効果を高めるためにはどのようにすればいいかを書いた本で、 学習する意味を見つけ 知識をなにかに関連付け 知識定着するためには類推(アナロジー)を使って知識と知識を結びつける 記憶するためには忘れそうなときを見計らって覚えなおそう(ankiというア…

* カズオ・イシグロの本を二冊読んだ

いうまでもなく今年のノーベル文学賞受賞者ですが,これまではおじさん向けというかそういうイメージの主題が多くて敬遠していたのでいい機会だと思い,読んでみることにした。読んでみた結果,なるほどこれは年長者あるいはある程度の規模の仕事をやり遂げ…

* 日本の歴史 江戸開府読了

江戸時代についてもう一度勉強しようと思って読んだ。 この本は徳川家康の半生から江戸開府,三代家光までの江戸幕府の基盤をどのように整備していったかという観点から記述した本である。詳しい説明は読んでもらったほうが間違いないので割愛するが,舌を巻…

ジェイムズ・ジョイス 読了

* ジョイスとは ジョイスの詳しい業績はWikipediaにて参照するとして、ジョイスがなぜこんなに評価されるかというのは考えるべきである。 まず、ジョイスは作品の内容が評価されているわけではない。(とはいえ面白くないわけではなく、ほんとに内容が評価さ…

持田信樹「財政学」読了

私は大学で人より少しだけ多くの法律学と歴史、文化事業を学んだ。だが、ちょっとしたボタンの掛け違いでカネ勘定の専門家としてカネ勘定を嫌悪する業界で生活を余儀なくされている。実はこの立場が非常にいやでなんども希望を出しているのだが、どうやらこ…

高橋是清「経済論」読了

経済論といっても,本を書いたというより国会答弁や講演会をまとめた本であった。テーマごとにまとまっているため,そのことだけ知りたいと思ったところのみ読めばいいというような構成になっている。 高橋是清の日本経済における功績は疑うべきもないが,氏…

「世界を動かすダイナミズム詳解イスラム金融」読了

近年目覚ましくプレゼンスがましたイスラム世界であるが,その中での金融制度について銀行家がわかりやすく説明した本。イスラム教といえばその教えで利息をとることを固く禁じ,それが現在に至るまでも守られているが,それではやはり金融は成立しない。そ…

神の代理人読了

神の代理人読了 塩野七生著「神の代理人」を読んだ。初期の氏の本なのであるが、「ローマ人の物語」でさえ主観が強いという意見のあるがこの本は主観もあるし創作もあるしでなかなかアクの強い本であったが、世界史未履修の自分としてはとっかかりとして非常…

これからのエリックホーファーのために 読了

これからのエリック・ホーファーのために 読了 Twitterにて感想文があがっていておもしろそうだと思ったので購入。 読んだところ今の自分にピッタリ合う内容であった。 どんな本なのか 日本の大学に残らず(残ることができずに)独力で研究を続けた人の研究…

背教者ユリアヌス 読了

やっと読めた本 実は背教者ユリアヌス、高校時代から読みたいと思っていて機会がなく読めていなかった本なのである。 今回ついに機会を得たので読むことができた。 最後の異教徒皇帝、ユリアヌス 古代ローマは古くはギリシアの神々を信仰する国であった。ゼ…

「知的複眼思考法」読了

あまたの類書がある中でこれがすごいというものははっきり言ってなかった。こういう「考える」ことについて書かれた本は「考える技術・書く技術」が抜きんでていて他の本は縮小再生産されたものというイメージがあるが,それは間違いではないだろう。 類書が…

ユーゴスラビアの崩壊を読む

旧ユーゴスラビアの崩壊に関する血みどろの争いはかねてより紛争の火種とはなにか,という観点で最近関心を寄せていたところではあるがこの本は崩壊の経緯はもちろん書かれているが,実際に現地で体験した地獄としか言いようのない現状を記録した本であった…

ターンエーの癒し 読了

僕がこの方十年以上の冨野監督を信奉しているということを差し置いても久しぶりに読んでいて涙が出そうになるぐらい感情を揺さぶられた。 この本は監督が対人関係においての苦労がたたり発症してしまった鬱にも似た症状(おそらくうつ病だろう)とどのように…

フェイスブック 若き天才の野望 読了

映画「ソーシャルネットワーク」の原作のような位置づけの本である。この本についてはすでにいろんなところで感想が書かれているし,あらすじも紹介されているので省くがザッカ―バーグがスゴイのは節目節目に自分の身の丈に合った師匠があらわれたり見つけて…

お正月小説のすすめ

中学生の自分,太宰のやりすぎで小説の類が読めなくなった自分であるが(思い出すだに恥ずかしい),勤め人になってからは努めて正月休みにはせめて一冊でも小説を読もうと決意している。休職に伴って中断もはさんでしまったが今なお続く習慣として非常に楽…

今年読んだ本(2014)

*** デビットカッパ―フィールド*** 世界史(まくにーる)*** タートル流投資の魔術*** 私の生活流儀*** 働かないってわくわくしない?*** 本当に好きなことをして暮らしたい*** 抗がん剤3つのやめどき*** 私の財産告白*** 7つの習慣*** 戦争の世界史*** 日…

所得再分配すべきという自縄自縛

消費税増税議論,トリクルダウンの失敗により一部において所得再分配のしくみたる税制を見直しより弱者に所得を分配できるように税制改革をするべきであるという言説を目にする機会が増えた。 この理論は金持ちから税金をより多くせしめて貧乏人を支援する政…

HHhH読了

新しい文学の一形態であると感じた。作中と現在の状況を行き来する小説は多いがそれに加え作者の当時の心境や状況まで含めて一つの物語とするのは新しく感じたし可能性を感じた。面白いのは途中でいきなり同じテーマで出た「慈しみの女神たち」に言及してい…

偽善のすすめ 読了

10代向けの本なので読みやすい会話調で書かれていて内容はそんなに濃くない。(反社会学講座のような切れ味もない)だが,読みやすいことは間違いない。内容は偽善とは何か,偽善と悪ならどっちがいいんだ,寄付という視点から考えることから始まり偽善と…

誰も調べなかった日本文化史読了

誰も調べなかった日本文化史: 土下座・先生・牛・全裸 (ちくま文庫)作者: パオロマッツァリーノ出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2014/09/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る 相変わらず意地悪な,斜に構えた視点から日本社会を論じていて…

あなたを天才にするスマートノート 読了

ノートの書き方というより天才の定義のほうが参考になった。論理力,表現力,発想力が伴うと天才になるというものである。ノートの取り方については比較的オーソドックスで「とにかく思いついたことを記そう」というもの。これを継続すれば文章も書けるよう…

小沢一郎「日本改造計画」を読む

言ってることは地方分権とそれを行うための財源移譲を行い地方分権社会をつくっていこうというもの。 思うに,小沢一郎本人はこの考えは今現在有していないように思える。この本に書いてある通りの政策を行おうと思えば行えたであろう民主党政権時に は大き…

ようやく「悪魔の詩」読了

上巻をずいぶん前に読んだのだがようやく下巻も読み終わりこれで読み通しということと相成った。 この小説は主人公の「夢」のシーンでイスラム教の神であるアッラーがほかにも神はいるんじゃない?という 意味合いのことを述べていることからムスリムの方々…

悪魔の詩(上)読了

コーランをバカにするような,教義を否定するようなことを書かれているということであるがそんなに気になるほどではないのではないかという感想を覚えた。 今のところ内容はいたって普通の英米文学であり面白味はない。下巻でどのようになるかに期待したい。…

リバタリアニズムを知るために

何度も繰り返すが私はリバタリアン(自由至上主義者)である。これを宣言してもその内容を説明しないといけないため非常に面倒なことは現在も変わっていない。 自分は地方公務員という立場でありながらこの主義を一貫してたもっているのは政府が一定の関与や…

ユダヤ式スピードラーニング読了

今すぐこの本を火に投げこめ。 といった内容。 書いてある内容が「自分はこうやって今のポジションを得てきた!」という内容ばかりなので読んでいてイライラした。 ユダヤ式と書いてあるがユダヤ式でもなければ速習のノウハウ本的でもなく、そもそも勉強本で…

リーダブルコード読了

非常に意義のある本だった。プログラムのコードは文例として扱えば十分文章作法の本として扱えるだろう。 この本は繰り返し例をあげながら以下のことを語る。 ・シンプルに簡潔に ・多義語は使わない。使うとしても意味を確定させる語で補う ・行数を少なく…

エンジニアのための時間管理術

エンジニアではないがやっていること、考え方がそれに近いのではないかと思って読んでみた。 結果は文書、自動化の部分は非常に参考になった。 文書はやったことを記録に残しておけば次回役に立つし考える時間減るよ!という趣旨。 自動化は複雑かつ反復的に…

資本主義と自由 読了

ミルトンフリードマンの超名著。この本を原点として自由至上主義(リバタリアリズム)が成立したといっても過言ではないだろう。 カテゴリーは経済学であるが経済学にありがちな数式がなく政治・政策に関する本なのかと思うぐらい具体的な政策とその効果の予…