論ずるに値しない。

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ターンエーの癒し 読了

 僕がこの方十年以上の冨野監督を信奉しているということを差し置いても久しぶりに
読んでいて涙が出そうになるぐらい感情を揺さぶられた。
 この本は監督が対人関係においての苦労がたたり発症してしまった鬱にも似た症状(おそらくうつ病だろう)
とどのように立ち向かっていかれたか,調子が悪くて体が動かない時にどのような状況であったのか,作品を作っていくにつれ
どのような出会いや作品に対して向き合うことで回復していったかというのを監督個人がエッセイという形で著されている本である。
 僕自身うつ病になりなにもできなくなってしまったこともあるし,今もその傷跡は癒えていない。信じていた人間の裏切りに近いような別れも経験しているし,
同時並行的に大切な肉親をも失った。どん底というのを知ってそこから再生していく話という中で「復習」であったり,信頼できる人間を得ることで
回復された氏を非常にうらやましく思うも,作品が氏にとって「癒し」になったのは本当に救いだろう。
 
この本はすでに絶版らしくようやく手に入れた本なのだが,ほんとに手に入れて,読むことができてよかったと感じることのできる本に出会えて幸せである。
ただ,この人の文章わかりにくいのよね。
 

 

ターンエーの癒し

ターンエーの癒し