論ずるに値しない。

論ずるに値しない文章を毎日書く。内容は読んだ本や今まで考えてきたことがメイン。

破天荒フェニックスを読んだ

こんな本だった

 倒産寸前のオンデーズを買い取った直後からの復活を描いた半自伝的小説なのだが、経営者が自身の成功事例を書いた本なので基本的に自己賛美的かつ主観的だった。 

話の流れが単調

なにか思いつく→成功するもしくは失敗する→すぐに資金ショートしそうになる→どこからかから資金を持ってきて一段落→経営者として〇〇という基本的なことを教えられたよと教訓めいたことを垂れる→それらを忘れてなにか思いつく

  これを3回手を変え品を変え読まされるのは苦痛。あまりに展開が一本調子すぎるので二回目ぐらいで読んでいて退屈だった。小説として読むべき本ではないのか?と疑問に思うほどKindle版は意味のわからないところにハイライトが引かれているのがまたゾッとする。

銀行嫌いなのは共感するけど、結局は銀行にはじまり銀行に終わるあたりがなんともいえない香ばしさ

 返済期日引き伸ばしの日々から銀行取引正常化までの話としか言いようがない。銀行嫌いというが最終的にシンジケートローンによる借り換えで取引正常化がゴールだというのも経営者とか経理やっていない人からすると「え?」という終わり方で結局嫌いなのに銀行と縁を切るどころか取引銀行を整理して終わりというのは「これ企業再生か?」という肩透かしを受けた。

とにかく多い「破天荒」という単語

 作者の社長さんはどうやらこの言葉が好きらしく、登場人物になんどか言わせている。本を読んでいる限り、やっていることは破天荒ではなく無計画なように読める

そしてとてつもなく独りよがりな弱音

「だれも資金援助してくれない!こんなに優良企業で業績もいいんだからぼくなら投資するのに!!」という愚痴が五十ページに一回は差し込まれる。

 でも傍観者であったり資金を出す側の人間としては「いやいや、借りてきたお金で自転車操業のように大バクチ打っては資金ショートする会社怖くてお金出せないですよ。」という感じで主観と客観の温度差が激しすぎてちょっとノレない。

 CFOの方は本作を受けて「バランスシートしかみない銀行へのアンチテーゼだった」とオンデーズでの仕事を説明しているが、ではどのような企業分析をすべきなのかがブログにも本作にも書いていないのが非常に残念だし、それを書かないでアンチテーゼだと言われても強がりだとしか読み取れない。

全体の感想

 この作品読んでなにかに感化されてる人って読書経験がないか意識高い系のあたまからっぽな人なんじゃないの?

話題になるほどのいい本ではなく、どちらかおとクソ本の類なのではないかという感想を持った。

 正直この記事を読んだなら読まなくてもいい

破天荒フェニックス オンデーズ再生物語 (NewsPicks Book)

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