ドキュメンタリー映画がなぜ好きなのか
なぜかはやらないドキュメンタリー映画
自分は映画が好きなのですが、日本の映画ファンの中でも少数派だと思われるドキュメンタリー映画ファンです。残念なことに国内においてもドキュメンタリー映画の本数は少なく、劇場公開されるところもミニシアター系の劇場でしか上映されるぐらいです。
・ドキュメンタリー映画のなにがおもしろいのか
なんでそんな実際にあるような、映画監督ぐらいしかまともな登場人物もいないし、淡々とした内容の映画をおもしろいと考えるのか。
それは撮影者の「意思」がストレートに伝わってくるからです。そして撮られた映像は数年後には貴重な映像資料になることも醍醐味の一つでしょう。(この資料映像かを嫌う作家もいる)
もう一つはこれまであまり意識しなかったことを映像という五感を通して伝わってくることによって、パラダイムシフトが起こりうることがある。
・19歳でのパラダイムシフト体験
自分がドキュメンタリー映画をおもしろいと感じ、そしてファンになった作品が森達也監督の「A」だ。
この作品は当時大騒ぎになり、連日報道されていた宗教団体を信者の側から撮影した作品だ。
この作品の背景には連日報道がなされているにも関わらずその構成員の姿をあたかも人非人のように扱っていたことに疑問をもつところからはじまる。
バブル景気に浮かれていたときに遊びにおぼれることを選択せず「宗教」を選んだ若者である彼らはどんなことをしているのか。
これを普段の家事も含めて映し出しているところが今までの自分の認識を大きく変革させられたのだ。この経験が映画のみかたを大きく変えてしまったのだ。
「人は見たいと思っている現実しかみない」というのはユリウスカエサルの言葉だが、ドキュメンタリー映画を見るたびにこの言葉を思い出す。
「自分がみたいと思っている現実以外」をみるためにドキュメンタリー映画を追い続けている。
以上