(考察)嫌いなことば2 臨機応変
嫌いなことばの二つ目は「臨機応変」である。これも言い得のことばである。
・丸投げしても許される便利なことば
臨機応変は耳障りはいいが言いとくのことばのひとつである。「そこは臨機応変に」といってしまえば全部オッケーになってしまえる非常に便利なことばなのである。なにか考えるのめんどくさい、指示出すほど考えてないというときにこれひとついって丸投げしてしまえば全部許される。臨機応変に対応できる人はすごい、などとプラスイメージにとらえてくれるすばらしい言葉なのだが、その中身はなにもなく、言われた側はたまったものではないひどいことばなのだ。
・臨機応変に対応しても
仮にそれでうまく乗り切れたとしてもその功績は対応した側にもたらされることは決してない。「臨機応変に」と言った側をみな賞賛するのだ。対応側としては苦労しても省みられず、言った側はなにもしなくても自分の株が上がるという非常にアンフェアな土俵にあがらされてしまう。仕事にしても学業にしても臨機応変に、とすませてしまったらどちら側にも経験が蓄積されず、悪い結果もいい結果のノウハウも得られないその場しのぎの言葉なのに、多用する人が多い。その言葉一つで対応側は非常に多くの労力を費やすことを使うときには気をつけていただきたい。
以上