論ずるに値しない。

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手放せないもの1 ポケコン

 ここ十年ぐらい片時も手放すことなく使っているデバイスがある。
それがこれ。

SHARP G850 Pocket Computer 【関数電卓】

SHARP G850 Pocket Computer 【関数電卓】


 もうこれをみてああ、ポケコンかとわかる人は相当なおじさんであろう。土木技師などの技術職の方には関数電卓の関数機能がたくさんあって、必要であるならば自分で関数を作れる電卓と説明するのが一番わかりやすいだろう。これを使い始めたのが高校生の時。当時すでにレトロPCといわれていたポケコンを使い始めたのは自分がX68000などの八十年代後半に主流だったコンピュータを動かすことを趣味にしていたからである。MSXとか。

・手放せないポイント 複雑な計算ができる
 普通の電卓に以外とあるようでないのが()でくくる計算機能。ポケコンは最初から()がキーについているのでひらめいた数式、教科書に記されている数式をそのまま転記することができる。数学が死ぬほど苦手だった自分としては自信のない自分の計算や式の展開をこれで検証できるのが非常に助かった。

・入力した数式を見れる、コピーできる
 経理事務を行ったことのある方はわかるだろうが、検算や入力途中にどこまで入力したかど忘れするときがある。その時にこの機能は役にたつ。また、ワンボタンで入力した式をコピーできるので時点修正も用意に行える。このため計算ミスや入力ミスなどの修正をすぐにできるのが非常に助かっている。また、入力した数式を見れるので詳しい人に計算方法を検証してもらう時にも非常に便利だ。

・関数を自分で設定できる
 BASICなどのプログラミングに関する知識が必要だが、自分で関数を作れることも大きく重宝している。株やローンの利率計算などは有名なヒューレットパッカードの12cでも可能であるが、数式を覚えるまで難しいしなにより逆ポーランド記法を覚えることから結構なハードルなので普通に計算することもおぼつかない。ポケコンを使い、あらかじめ算出に必要な変数を入力するだけで答えが出るようにプログラムを組んでしまえば迷うことなく一発で必要な答えを出すことができる。内蔵cpuもz80で高速なのも大きな特徴。

スマホより低機能で、サイズもでかいが手放せない最大の理由
 以上のように機能面を説明したが、現在ではスマートフォンでちょっと気の利いたアプリを使えば全部できてしまう。それでも手放せないのは愛着でもなければ物持ちがいいからではない。やはり物理キーの存在とワンボタンで即起動、悩むことなくすぐ入力できることにある。
 経理などの事務は一日の半分ぐらいは電卓を叩いたりエクセルに数値を入力したりするのが仕事で、そのくせ入力する数値は結構大きいお金であるために計算ミスよりも入力ミスの方が怖い。そこを叩いたら入力されたという実感を画面ではなく手元で感じないと作業効率も下がる。そのため電卓はなくならないし、キーボードのような入力機器はその打鍵感にこだわりをもつ人はなくならない。
 次にボタン一つで起動できることだが、スマートフォンは多機能であるがゆえに使用したい機能を使う前に指定してやらないといけないという点がある。その場限りでちょこちょこっと何かをこなすのならばそれでもストレスはたまらないが、毎日一定時間細かく使う機材はやはり使いたいと思った瞬間に使える状態にならないと非常にフラストレーションがたまる。さっと使えてパワフルな機能ということを考えると今でも多くの電卓が売られているが、結構な値段がするのでいまだにポケコンを捨てることができないでいるのだ。