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II歳入 調定

 最後に歳入の事務手続きの一つである「調定」について説明して歳入の賞を終わりにしたいと思う。この事務手続きは一般の企業とは異なるだろう。(私は一般的な企業に勤務したことがないのでよくわからない)

 

1.定義

 調定とは歳入の所属年度(何年度の収入なのか)、歳入科目(たとえば一款一項一目一説 住民のように何のために納付者が納付したのかを確定する)、納入金額、納入義務者(誰が納入するか、したか)、納期源を調査・決定することをいう。(wikipediaより)

 通常調定は収納の前に行うのが通例であり、手続き上では金銭を徴収することが適正であることを示すための手続きである。

 

2.法的意味

 調定は以上のような意味合いがあるので当然法律的な義務づけがある。国においては予算決算及び会計令(昭和二十二年四月三十日勅令第百六十五号)第二十八条により調査することを義務づけられており、地方においては地方自治法(昭和二十二年四月十七日法律第六十七号)第231条に定められている。

 さらに、各市町村において詳細な手続きが財務規則によりさだめられている。

 

3.予算との違い

 ここで気になるのが予算との違いであるが、予算は当該年度の収入の概算であり、実際の歳入との開きがあるのはある種当然ではあるが、調定においては「実際に」いくら入るかを事前に調査している、という建前上実収入額との開きはない。これは調定が実際に収入額を確定する、という性格であるためである。

 

4.実際の事務では

 ・調定票の作成

 実際の事務手続きでは調定を行う際にどの科目で、いくら収入があり、いつまでに、だれが納付するかの意志決定を行うために調定票の起票を行う。この調定票は一枚一枚調定番号を付加し、番号からどういう種類の調定なのかをわかるようにする。(後の収入事務や監査、決算の際に確かめられるようにするため)また当然のことではあるが納付者が複数にわたる場合その人数の内訳、氏名などを調定票において明示することが求められる。

 調定票はもちろん作成するだけでなく、決済を行って初めて効力を発する。この決済は少額なものは係長決裁からはじまり高額なものは行政機関の長の決済を求めるケースも存在すると思われる。(各都道府県、市町村財務規則により異なる)

 ・起票時期

 調定票などの帳票類を発行するすることを「起票」というが、この起票も適宜行うのが一般的である。たとえばコピー代や事務手数料など年間一括して金額を予想することが難しい場合である。この場合たとえば、五月、八月。十月、三月などまとめて起票する法が効率がよいので事後に起票を行う場合もある。

 ただし、これはあくまで例外であり基本的には入金される前に起票し、決裁をとるのが一般的である。

 

5.この手続きの意義と私見

 官公庁会計はその財布がとても不明瞭であるためどのお金がどれによるものなのかがひも付けされていない。そのため目的税が果たしてその目的通りに使用されているのか否かも非常に怪しいところがあるのだが、調定によりある程度ひも付けを行うことが可能である。また、実際にだれに、いくらで、どの科目でいつまでに納めるべきなのかを具体的に示しているために納税の際の具体的な資料となりうるだろう。

 ただし、この調定という手続きは収入の時にしか用いられない。つまり入り口にはしっかりとお金の色分けがなされているのにもかかわらず出る際にはそれがどのお金なのかがはっきりしない。このため目的税が本当に目的通りに作成されているかを検証することは非常に疑問である。

 

以上