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論ずるに値しない。

論ずるに値しない文章を毎日書く。内容は読んだ本や今まで考えてきたことがメイン。

[私見]地方公営企業法改正

本日の日経新聞に以下のような記事がでてました。
 
ようやく、といった感じが強い人もいる一方「ほんとにやるのか・・・」というこれからの仕事が増えることにげんなりという方もおられるのではないでしょうか。
 
この記事は意味がよくわからない、という人もいると思うので少し解説がてら何が重要なのか自分としても整理したいと思います。
 
・公営企業とは
 公営企業とは、水道・ガス・下水のような地方自治体がそのサービスの対価として料金を賦課している事業のことをおおよそ指します。(「企業」となっていますが、他市と共同で行っている事業でない限りでない限り「○○課」とか「○○局」というような一つの部署という位置づけにあるところが多いと思います)
 公営企業はサービスの対価として料金を付加している以上、その事業によって得た金銭でもって事業を維持するいわゆる「独立採算制」を義務付けられています。(そのため市町村の一般会計から分離し特別会計という形をとり、事業の内容を決算などで明らかにしている)
 しかし、現在にいたるまで一般会計による赤字補填(一般会計繰入といわれています)を受けずに事業を継続できている公営企業は「ほぼ」ありません。
 
・会計を民間並みにするとは?
 公営企業に限らず官公庁では一般的な会社が行っているような簿記・会計のやり方を取っていません。その証拠に埼玉や大阪以外で財務諸表を公表しているところはないと思います。官公庁会計では財務諸表の作成義務がないどころか、通常の決算作成業務を行っているだけでは作成できないのです。
具体的には
 
 ・単式簿記(カネが何に変わったかを示せない)
 ・借入金を「負債」ではなく「資産」として計上している
 ・「みなし償却」という制度。(補助金をもらって備品を購入した場合、備品を減価償却せず補助金を両建てにして除却していくもの。これをやると正確な原価計算ができない上に赤字なのかそうでないのかもわかりにくい。)
 
これらは半世紀近く前は実態に沿っており、有用な制度であったが現在では現状にそぐわないどころか赤字を隠したり、借金を隠したりするような使われ方が増えてきており、改正の必要性がありました。
 
・改正するとどうなる
 一般企業と同じく貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などの作成が義務付けられます。つまり、簿記がわかる人ならば誰でもその事業の経営状況を把握することが可能になるというものです。
 しかし、逆を言うと職員の仕事量が増えかつ簿記のわかる職員を増やす必要が出てくるため研修、システム改修(一般企業と同様の会計制度にするといっても官公庁特有の事例が出てくると考えられるため、市販のをそのまま使用することは難しいのではないか。)など一時的にかつ人材としては永続的に簿記のわかりかつ公営企業の業務を理解できる職員を一名は置かなければならないという状況が生じます。
 
 人事異動があり、基本的に十年とかそのスパンで一つの部署にい続けることは考えにくいので異動のたびに簿記の習得や経理事務を習得する必要があるため内部的には職員のやりくりに苦労されることが考えられます。
 自分はそれ以上に今の公営企業の事業内容や収支を市民に把握してもらい事業の継続を含めて判断してもらうのが一番だと思いますが「なぜ」この状況で「公営企業だけ」やるのかを含めて市民に理解を求めることが一番重要なのではないかと思います。
 市営地下鉄とかは未だに建設時の費用を回収できていないというところも多々あり、そういうところを市民の側から存続の可否を表明するのが一番の狙いなのかもなと。