論ずるに値しない。

論ずるに値しない文章を毎日書く。内容は読んだ本や今まで考えてきたことがメイン。

指皮がなくなるとこうなる

 

 悲しいことに、クライミングしていると摩擦力を生み出す代わりになくなっていく指先の皮膚(これを指皮といいます)がなくなってしまった状態でクライミングをしてしまい、散々な結果になりました。
 今回は、クライミングしていない人にもわかるように指皮がなくなるとどうなるのかを説明するていで自分へのセルフケアを怠った戒めとしたいと思います。

1 スローパーが持てなくなる
 スローパーとはクライミングにおいて初心者の一つの壁となっている、掴みどころがなく、丸みを帯びた手がかり(ホールドといいます)のことです。
 スローパーの持ち方は単純で、指というか腕全体でスローパーに対して上から荷重をかけることによりむりやり安定したポジションを得るというのがセオリーの一つとなっています。
 さて、ここで指皮がないとどうなるでしょうか。そうです、荷重をかけても滑ってしまい、安定するどころか転げ落ちます。それはもうはじめたてのクライマーでもやらないようなおちかたをします。
 こうなるともう大小すべてのスローパーは持てなくなるのでジムによっては大半の課題が楽しめなくなります。
2 大きいホールドが全部滑る
 指皮で摩擦力を得て登っている以上、指皮がなければホールドにたいして摩擦力を得られなくなってしまい、結果持てているホールドが滑って持てなくなります。一発で適切な位置へ固定できたとしても次のムーブにうつるときの些細なブレをきっかけに滑ります。
 これがなんとも屈辱的というかこれまでやれてきたことができていないことへのいらだちに繋がります。
 クライミングやってきてこのやれてたはずのことがやれないことが一番辛い。死のうかなと思うほど落ち込みます。
3 指が破けて回復に時間がかかる
 クライミングやってて一番しんどいのは怪我による強制的に登ることができなくなることですが、指皮も酷使すると指に穴が開く状態になります。穴が開くと言っても空洞ができるわけではなく、皮がめくれてそこから血が出ることはままあります。血が出たらもう指皮がないどころではないのでクライミングは中止となってしまうし、そこから深追いしても成果は得られることはありません。つまりレスト(休息日)する必要が出てきます。これが登るのが大好きな人間からすると辛い。辛いからこそここに至るのを避けたいが目の前にクライミングウォールがあると登ってしまうというジレンマ。登る前からメンタルスポーツははじまっているのです。


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汚いけれど、指皮が雲散霧消した自分の指。
指先が赤くなり、指にはタコや穴があき、スマホ指紋認証がきかなくなる。

ライミング後のケアが本当に重要
 上述の通り指皮がなくなると登れるものも登れなくなるし日常生活に支障が出る。故にそうならないようにするケアが大事であると痛感している。
 自分の備忘録として具体的になにをやっているのかを記していく

1 登ったあとにクライムスキンを手に塗る
 クライミングやってる人に向けて作られたハンドクリームがあるので、これをクライミング後に塗り込んでいます。用途が用途なので気持ち指の回復が早いように感じる。あと手の馴染みが早いのでサッと使えるのは魅力的。

2 メモAを使う
 あかぎれや擦り傷に使う医薬品の軟膏がメモAなのですが、言ってみればホールドで指皮を擦っているのでこれを使うのは理にかなっているし、クライミングやっている人はだいたいこれのお世話になっている。ベトベトして5分は何もできなくなってしまうが、確かに回復は早いように感じる。寝る前のおまじないとして塗っている感じ。
3 ニベアグリセリンカリ液
 これは単純に保湿のために使っている。手軽にケアできるのと調達が容易なので手元においてすぐ使うのがいいと思うし、そうやって使っている。保湿は間違いなくやったほうがいいので、ケアしたいけどどこから手を付ければいいかわからない……という人はまずはニベアみたいなハンドクリームで保湿するところからはじめて、クライミングの強度と頻度が上がってきたら2,1と手立てを考えたほうが安上がりかもしれない。