論ずるに値しない。

論ずるに値しない文章を毎日書く。内容は読んだ本や今まで考えてきたことがメイン。

仕事でなにかを教えるときに心がけていること

 なぜか昇進して人になにかを教える立場になっている

 4月で昇進して誰かに何かを教える、監督するという立場になっている。これまで人に何かを教わることはあれど、教えることがなかった自分としてはこれが必要以上に気を遣うし、どうやって持っているスキルを移転し、それを使いこなせるようになるのかということに考えをやる時期が長く続いていた。まだまだ答えを得ていないが、今気をつけていることをまとめたい。

 聞かれたことの答えをすぐに提供しない

 これはケースにもよるが、早急に対応しなければならないものを除いて聞かれたことについての答えだけを言うことを避けている。

 これは指導を受けている人間の資質にもよるのだが、質問をして、その答えを得るだけではその知識を応用することはできない。質問者が具体的にこれがわからないという場合ふたつのケースが考えられる。

  1. ほんとになにがなんだかわからない状態(未知の分野、もしくはとっかかりがない)
  2. 答え合わせをしたい状態(ある程度方向性は持っているのだが、念のため正しい確認したい)

1.の場合は「なぜそれが必要なのか」「どのようにやるのか」「これをやってどういう効果があるのか」というのをある程度説明する必要がある。1.の場合答えだけを教えても次に類似の事例にあった場合太刀打ちすることができない。

2.の場合はそれが正しいか否か、だけでなくその理由も含め聞いて、それで間違いや修正点を教えるべきであると考える。2.まで来た場合相当程度習熟ができているはずなので軌道修正とどこまでできているのかを確認できればここはこうやる程度の助言でなんとかなる。

 しかし、1,の場合はある程度事物を抽象化して、他の範囲でも使えるようにしないと次もできなくなる。自分のしごとは他人に仕事を教えるだけではなく、自分の仕事も存在するのであるから、わからなくなったらその都度聞かれては自分の仕事の納期も間に合わなくなる。5秒を惜しんで50分無駄にするということは愚か者のやることであるから、最初からどうやるのか、こういう場合の判断方法はこうなるとか方法を何種類かあるとかを教えてやらせてみないといけない。

 実践に勝る教材はないのだから、とにかく大事にならない範囲でやらせてみて、都度自分が手直しして上げたほうが作業効率も上がるし、「できる」という自信にもなるだろう。

 とはいえ、これで本当に身についているのかどうかは藪の中であるが、就職試験を乗り越えてきている人材が揃いも揃って無能であるなんてことはないし、もしそうだとしたらそれは私の責任ではなく、人事部の責任であるのだから。