論ずるに値しない。

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歴史主義の貧困読了

非常に端的にまとめることは難しい本であった。 
しかし、無駄な引用や勝手な考えを吹聴するのもどうかと思うのでエイヤっと書く。 
  この本は歴史主義、すなわち世界情勢などの未来は歴史を見ればわかるし、歴史の流れに沿って動いている とする思想をあらゆる論理で否定している本である。 この本の一番わかりやすいたとえは「歴史の流れ通りに世の中動くのであれば、上昇トレンドを描く株を買っていれば 必ず儲かる。だけど、そうはならないでしょ?」というものだ。 
 この本の副読本として有名な「開かれた社会とその敵」というものがあるがこの本と同様に社会主義の台頭を 否定するための論拠とすべき本として書かれている。つまり、資本主義社会が進めば世界は歴史の流れから社会主義に 移行するという論理を否定することを目的として書かれた本である。 だからといってこの本がすでにその役割を終えたかと言うとそうではない。 現実に世界大戦の危機が叫ばれ、現時点の状況がそれに極めて近い状況であるとしてもあの時と今ではテクノロジーも 国家を支えるイデオロギーも異なる。だから比較してそれが起こると決めつけるのはよくない。という趣旨にも読めるのである。 
 歴史主義の貧困 (日経BPクラシックスシリーズ)
この本を詳述するには自分の知識が少ないことを思い知る。日々勉強の大事さもこの本から学び取ったと思いたい。