I.官公庁会計とは
1.定義
官公庁会計とは、文字通り国及び地方公共団体で行われている会計のことである。官公庁会計には大きく分けて一般会計、特別会計、公営企業会計のみっつがあるが一般的な官公庁会計を指すときは公営企業会計をのぞく二つのことを指す。
2.法的根拠
国においては会計法(昭和二十二年三月三十一日法律第三十五号) リンク を根拠とする。またその詳細な手続きは予算決算及び会計令(昭和二十二年四月三十日勅令第165号)によって定められる。
地方においては地方自治法(昭和二十二年四月十七日法律第67号)第208条〜第233条の2を根拠としつつ、詳細な手続きは各都道府県、市町村の条例及び施工規則によって定められている。
比較として一般的な企業の行う会計、つまり企業会計についてはその立法趣旨より三つの法律から会計処理を行うことを要求されている。
ex.会社法第431条、432条 金融証券取引法第193条 法人税法第22条4項
3.企業会計との違い
官公庁会計は一般的な企業会計と手段、目的が異にするため特別な手法を採用していると思われる。
・目的の相違
企業会計は経営成績の株主などの利害関係者への提供を目的とするのに対し、官公庁会計は年度終わりに昨年度の入出金状況を説明することを目的とするという点で異なる。
・手段の相違
企業会計においては適切な状況分析を行うための資料(いわゆる管理会計)の手段として会計手法を用いるが、官公庁会計においては入出金記録のための手段の一つとして考えられていない。官公庁会計にとっては決算などの財務状況分析よりも予算編成のほうが重要であると考えられているためである。
4.まとめと問題提起
・企業会計も官公庁会計も法的根拠がしっかり存在する。
・企業会計は次年度以降の収支改善や問題のある事業の洗い出しのために使うもの。官公庁会計は単なる入出金記録の総体。
6.次回
官公庁会計のフローとして「収入」についての手続きについて解説する予定。