論ずるに値しない。

論ずるに値しない文章を毎日書く。内容は読んだ本や今まで考えてきたことがメイン。

法律学と政治学の違い

 仕事をしていてようやくこの二つの学問の違いがわかってきました。

法学部はだいたいの大学で法律学科と政治学科に分かれていますがこの二つは学ぶ対象(市民生活や国家について考えること)は同じものが多いですがそのプロセスと解決法は180度異なっています。同じ学部ですが勉強した内容がことなるのでその後の仕事の進め方も異なってくるのです。

 

  •  法律学ではどのように問題を解決しようとするのか

 法律学、というか法の世界では法律の適用することにより終局的に解決する紛争のみ扱います。(法律上の争訟といいます。)

この考え方は基本的に「法律」によって解決できるもの以外は僕らの範疇ではないよと宣言するものでもあり、逆に言えば今ある法律の範囲内で解決できるものは解決するという宣言でもあります。

この考え方が法律を勉強してきた人間の根本にあるのではないでしょうか。

つまり、今ある制度、状況、資源を活用して問題解決を図ろうとする姿勢です。

「お金がないから」や「時期が悪いから」という結論は基本的に最後の最後まで下そうとしません。今あるものを最大限活用して最善をめざすのが法律をやってきた人間の考え方です。

 司法試験の論述の書き方も「基本的な運用方法」を示した上で「あてはめ」(事案に対して法律や判例を適用し結論を導くもの)ます。これらのことからも以上のことが示せるでしょう。

 

  • 政治学の考え方

 政治においては問題点を抽出したのちに、制度を変えてしまおうという考え方です。

いうなれば「お金がないなら必要のないルールを作ろう」などの制度設計を行うことに炊けており、また現状の問題点を見出す力に長けています。ややもすれば法律を勉強している人は問題点を見つけることが非常に下手になりがちです。それは今ある状況で最善を目指す姿勢があるからですが、政治の勉強をしている人は問題を見出し、理想像を作り上げ、実行していきます。

そういうう意味では社会にでた場合官公庁などが向いているといえるでしょう。

 

  • 仕事の仕方のちがい

以上のことをふまえると双方の仕事の仕方がと違うことに気づくでしょう。私は気づきました。

 最善を目指す人と理想を目指す人。これは拙速を尊ぶか巧遅を尊ぶか、やりくりをするのか、やりくりしないであくまで理想をめざすのか。これらのことがあげられるでしょう。この違いについては機会があれば細かく書きたいと思います。