論ずるに値しない。

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高橋是清「経済論」読了

経済論といっても,本を書いたというより国会答弁や講演会をまとめた本であった。
テーマごとにまとまっているため,そのことだけ知りたいと思ったところのみ読めばいいというような構成になっている。
高橋是清の日本経済における功績は疑うべきもないが,氏がいかにしてその時,その施策を行ったのかを自身の口で
語ったのは第一級の史料として価値のあるものである。
ただし,当時の経済状況や国内事情をある程度抑えておかないと楽しめないのも事実。読みやすくはあるが,「畢竟」
などの現在では用いられない語句もある。芸は間口が狭いほどおもしろさが増すというがこの本もその類。
つまり人を選ぶ本であることは間違いない。

 

 

経済論 (中公クラシックス)

経済論 (中公クラシックス)