論ずるに値しない。

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ユーゴスラビアの崩壊を読む

 旧ユーゴスラビアの崩壊に関する血みどろの争いはかねてより紛争の火種とはなにか,という観点で最近関心を寄せていたところではあるが
この本は崩壊の経緯はもちろん書かれているが,実際に現地で体験した地獄としか言いようのない現状を記録した本であった。正直なところ
民族浄化については同意できるところはないし,ここまで追い込まれるとここまで人は野蛮になれるのかという印象を強く受けた。
 ユーゴの崩壊は各民族主義者の台頭によってもたらされたとされているが民族の憎悪をあおり,それをうけて様々な蛮行を
行う免罪符にする行いは悲劇を起こすこと以外の何物でもないと感じた。昨今の我が国においても民族主義でもなく排外主義でもなく
保守でもなければ愛国者でもない集団がいるがこれを野放しにすることの危険性の一端がこのユーゴ紛争を見てもわかるのではないだろうか。
 といっても,ヘイトスピーチを法により規制すべきか否かという問題については今回は立ち入らないことにしたい。

 

 

ユーゴスラヴィアの崩壊

ユーゴスラヴィアの崩壊