論ずるに値しない。

論ずるに値しない文章を毎日書く。内容は読んだ本や今まで考えてきたことがメイン。

経済効果を取るか、徴用を避けるかという問題 輸送船徴用案から考える。

 民間輸送船を有事の際に乗組員を予備自衛官として扱うというニュースが入ってきた。
http://mainichi.jp/select/news/20140803k0000e040096000c.html
このニュースに対する反応は反対派の「事実上の徴用」「政権は戦争をしたいのではないか」
徴兵制の前段」というものがみられる。
 この問題で考えるべきことは
・検討しているのが政治家ではなく防衛省
・事実上の徴発、徴用にあたるか
・仮に有事の際民間人が運用する輸送船を使用できるか
・以上の問題を抜本的に解決するために輸送艦海上自衛隊は永続的に保有すべきか

である。法律上徴発にあたるかに関しては憲法上の問題が存在するものと思われるが大方自由意思で予備自衛官になること
拒否権が存することなどで裁判所は問題ないことを判断するだろう。もう一つの輸送船を有事に使用できるか否かではあるが
これは専門家の意見を聞くのがよいだろう。

・検討しているのが防衛省であることから予測すべきこと
 これはまず間違いなく観測気球だろう。わざと検討段階の事柄を流し、世論の動きを探る。
これをもとに計画を修正していく。加えてこの時期にこのようなニュースが流れるということは予算編成にあたってどこかからこういう
アイディアで予算削減をできるだろうと考えたのだろう。
 以上のことから、わたしはこの案は政治的な策謀というよりも予算削減ないし獲得のためのものであると考える。
人員も予備自衛官にする理由もおおかた安いからというよりもあえて公務員という肩書をつけさせることによって死亡した場合
手厚い年金を遺族が受給できるようにする手段であろう。役人は変にこういうところには気が回ったり優しいので彼らが考えそうなことである。

輸送艦を増備すべきか賃貸すべきか
 この問題は我が国の防衛政策と国民感情が大きく左右される問題である。自衛隊防衛省としては保有できる人員・財源があるのならば保有したいだろう。
補助艦艇は先の大戦からも少ないと補給に大きな支障がでることからもわかることである。さらに自衛隊の場合輸送船と言いながらも実際は強襲揚陸艇
だったりもするので願ったりかなったりだろう。
 賃貸すると機動的な運用ができないおそれが存在する。それでもなお賃貸を続けるということはそれだけ経済的な利益が勝るからである。

 つまり、この問題は国民にとってカネを取るか尊厳を取るかという問題になりえる。
では、私はこれをいかに考えているかであるが国は賃貸をやめ、輸送艦を増備するべきであると考える。
これはいかなる理由であれこれまでただの船員である人間を教育し予備自衛官に仕立て上げることは事実上の徴兵・徴用と違いはないこと、その補償が
本人に軍票などの将来使用出来るかが疑わしい形式で行われる可能性があること、輸送艦はどのみち災害派遣などで必要になる場合があること、
平均使用年数で建造費を割ればさほどの費用負担にならないのではないか(これは試算していない)ということからである。

 繰り返しになるが現在海上自衛隊が保有している輸送艦は非常に少ない。これを解消することがまず第一の生活を守る手段であることを信じてやまない。