(考察)嫌いな言葉4 ~は苦労するものだ
嫌いなことばの最後は「〜は苦労するものだ」だ。これは上の者がしたの人間に現状に甘んじることを他者に強要する非常に悪質なことばである。用例として「得てして仕事は苦労するものだ」というものがあるだろう
・なぜあなたの苦労を自分もせねばならないのか
自分は年長者が無条件に尊敬されることが大嫌いだ。自分より年下の人間であっても年長者だからといって挨拶させることを強要させたり、敬ってもらうことが生産性や組織の連帯を強めることとは思えないからだ。
・同じ苦労を味わわせてやりたいという純粋な悪意
年長者が年少者に求めることのほとんどは生産性の向上に寄与しないどころか向上を妨げることが多い。これを端的に示す者が「自分が若いときには苦労したものだ」ということばだ。これは「同じ苦労をしろ」と強要しており、自らの過去得た体験やノウハウを年少者にフィードバックする気はない、と断言しているのだ。技術はこれまで類をみないほどの速度で進歩しているがその技術を日常生活の向上に寄与できないのはこういう年長者の真の意味での「育成」ができていないことを意味するのである。(得てして年長者が言う「部下の育成」とは自分の仕事を丸投げして得た結果のみをかっさらうことをいうだろう)
・「楽」をしてはいけないと考える風潮
人間の進歩は「楽をしたい」という欲求から生まれてきた。しかし現在では楽をするために様々な方法を試みることは「怠け者」というレッテルを貼られることが多い。
要するに、「自分だけ楽をすることは許さない。」という社会全体の悪意がむけられている。この風潮が維持される限り企業や政府の求める「イノベーション」は日本国内において起きることはないだろう。なぜなら、技術革新や大幅な生産性向上は「楽をしたい」という欲求を満たすための手段であるためだ。
もし本当にあなたがあなた自身やあなたの後輩をフックアップしたいなら自らの経験をふまえ、同じ轍を踏ませないようにフィードバックしてあげたり一緒にこれまで行っている恒常的業務の自動化にとりくむべきである。効率化を行えた時間分だけその人間はさらなる進歩を求めて考え、実行する。この繰り返しが我々の社会の進歩に結びつくのである。
以上