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論ずるに値しない。

論ずるに値しない文章を毎日書く。内容は読んだ本や今まで考えてきたことがメイン。

自治体のレベニュー債導入の検討

考察

 はじめに断っておきますが本記事は私の所属する団体の意見意思ではなく私個人の意見です。あくまで自分の調べた範囲での意見であるため誤りがあると思われます。お詳しい方がおられれば指摘していただけるとうれしいです。

 

  • レベニュー債とは

 レベニュー債とは、これまでの起債とは異なり、使途を明らかにした起債の方法である

。使途を明らかにした起債の方法としては市場公募債があるが、市場公募債と異なり、レベニュー債は償還にかかる財源を起債の目的たる事業に限定しているます。自治体としては非常に使い勝手が悪い性質のものですが、それでも導入をすべき理由はこれからの自治体財政をつまびらかにし、かつ住民、市民にも金銭的な市政参加を促すことおよび金銭的に参加することによって当該事業を監視させることにより事業の適正な執行を促すことができるためです。

 この考え方は従来の放漫かつ自治体内部での事情による事業の執行及び工事箇所の決定を行えなくするという意味で大きな価値があるといえます。

 現在の基礎自治体(市町村役場です)における事業の執行は非常に内部的な理由で進められているのが現状です。私は現在下水道部局に所属しているため、下水道を例に挙げますが、本来は下水道管きょを埋設する第一の基準としては下水道に接続するであろう世帯が多い地域であること(たくさん接続することにより使用料収入を多く得ることができるため)ですが、往々にして工事しやすい箇所、または住民が頻繁に来てやかましいためにだまらるために事業を行うことがあります。これでは投資効果が低く言ってみれば金をドブに捨てるような工事を行うことが多くみられます。このような現状は財政状況をつまびらかにできないこと、どこを工事するかという決定権が当該部局であること、内部(市役所内部)に目を向けて仕事を行っていることが最大の理由であると考えられます。

  • レベニュー債導入のメリット

 これらの現状を改善するためにもレベニュー債の導入は有益であると考えます。

レベニュー債はあらかじめ事業内容を明らかにするため、投資効果の低い、回収が見込めない事業は必然的に債権の引き受け先がいないために起債を行えません。あわせてレベニュー債は償還財源は当該事業によって得られた収益のみと限定していることから起債を行う前の検討段階で償還不可能であることがわかれば無駄な工事がなくなります。また、レベニュー債である以上財政状況を公表しなければならないため必然的に投資家のチェックを受けるでしょう。投資家を納得させるようなプランをたてる必要性があることから本当に有益な事業のみを行わせることが可能となります。以上が住民からみたレベニュー債のメリットといえるでしょう。

  • 考えられる弊害

 レベニュー債の弊害としては採算のとれない事業かつ市民生活に必要である事業は資金調達が行えなくなることが考えられます。

道路修繕や水害対策、雇用対策などがあげられます。これらの事業はその事業だけでは収益をあげることができず、だからといって事業を中止すれば市民生活に大きな悪影響を与えることは容易に考えることができます。

これらの事業についてはレベニュー債にはなじまない事業といえるでしょう。故にこれらの事業についてはレベニュー債ではなく通常の起債を認めざるを得ないでしょう。

 もう一つはレベニュー債を流通させる市場が存在しないことがあげられます。せっかく立派な目的があってもそれを流通させるものがないと意味がありません。これが都道府県・市町村が市場公募債の起債を滅多に行わない理由でしょう。この種類の起債を行うと発表しただけで、自治体財政に関する雑誌でとりあげられるほどであることから考えると市場公募債であっても非常に希な事例であることから、市場づくりに時間も手間もかかるというのがあげられるでしょう。

  • それでも導入すべきと考える理由

 それでもこれらの事業以外はレベニュー債を導入すべきと考えます。

 レベニュー債を導入すればいたずらに起債をすることができなくなり、全国的な規模で地方債残高は減少していくでしょう。また本当に必要な事業のみに限定して事業の執行に当たることになるため、いわゆる「ムダ」がなくなるでしょう。そうすれば身の丈にあった規模での事業が行われるため市町村の予算が企業会計レベルでみても徐々にバランスがとれていくことになり、住民負担も軽減されるでしょう。重要なのは住民自身がレベニュー債を受け入れ、事業の執行を見守ることでしょう。

以上